大江健三郎 個人的な体験
- 2023/03/15
- 18:22

大江健三郎さんが3月3日に亡くなった。この本は、私が二十歳の時に購入した。経年によりハードカバーが変色している。大江健三郎さんは、東大在学中に芥川賞を受賞して以来、何度も何度も世間に強烈なインパクトを与えてきた。私が知る限りでも下記の通りだ。順不同になるが、沖縄ノート裁判で右翼勢力に勝利した事、勲章を拒否していながらノーベル文学賞を受けた事、障害を持って生まれてきた息子さんが音楽の才能を発揮した事...
柴田翔 ロクタル管の話
- 2021/12/15
- 11:20

久しぶりに読書のカテゴリーです。柴田翔の芥川賞受賞作「されどわれらが日々」ですが、本題で取り上げるのは「ロクタル管の話」です。「ロクタル管の話」は「されどわれらが日々」におまけのように併載された短編です。Bendix5992の記事に対するコメントに触発されて、本棚から引っ張り出しました。「されどわれらが日々」は、1964年初版で、私が川崎製鉄時代に購入したのは1971年第72刷とあります。当時の大ベスト...
日本全国スーパーカブの旅
- 2020/06/04
- 20:12

ひょんなことからスーパーカブC50のオーナーになって、シェルパ斉藤(斉藤政喜)さんの本を読み返した。この本は、確か7~8年前、私が日本一周に出たいと思っていた時に購入したと思う。この本を購入した頃は、母の介護や自分の仕事に忙殺されて、日本一周が遠のきつつあった。そんな時に読んだ印象は、50ccの制限速度である30キロの、のんびりとした旅は、自分の思うところとは少し違うと感じた。シェルパ斉藤氏といえば、旅...
ソマリ2部作 完結編?
- 2020/03/09
- 20:04

高野秀行氏の「謎の独立国家ソマリランド」と、「恋するソマリア」の書評のまとめを書きます。前回にも掲載した画像です。若干22歳で、暴力の応酬が続く南部ソマリアのモガディシオで「ホーン・ケーブルテレビ・モガディシオ支局」を仕切っている剛腕姫ハムディです。血で血を洗う戦国時代さながらのモガディシオで、22歳の女性支局長が、政府批判などを報道し続けているにもかかわらず、殺されないのが不思議だったと著者は述...
ソマリ2部作 その2
- 2020/02/22
- 18:12

やっと高野秀行氏のソマリ2部作の続編を書く気になった。高野秀行氏が撮影した恐ろし気な兵士は、米軍のヘリコプターが撃墜されて、米兵全員が殺された事件をえがいたリドリー・スコット監督の映画「ブラッホークダウン」の現場であるモガディショの民兵だ。片手で持っている銃は、PKMといわれる旧ソ連製、あるいはそのコピーの機関銃のようだ。民兵が身体に巻き付けている弾は、第2次大戦後半から米陸軍の正式小銃となったM1ガ...