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MAZUDA PEN45

友人のSaraさんが、MAZUDA-PEN45という真空管に興味を持たれているようです。

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左側がPEN45で、右側がPEN45DDです。

PEN45DDは、PEN45に検波用2極管を加えた複合管です。欧州の戦前~戦後まもなくのAMラジオの低周波部は、2極管で検波した音声信号をダイレクトに出力管で電力増幅していたそうです。それぐらい感度が良い真空管という事です。

欧州以外では、6AV6や6ADH3Aなどの2極管とハイμ3極管の複合管で、検波・増幅して、出力管で電力増幅するのが一般的でした。そんな米国系と欧州系の真空管の使い方の違いに興味を覚えます。

PEN45を、最初に日本のマニアに紹介したのは、浅野勇さんだったと思います。「魅惑の真空管アンプその設計製作」という名著に、PEN45のPPアンプの製作記事を書いておられます。

浅野勇さんの製作例は、6SL7の欧州仕様であるECC35を1本使ったオートバランス型位相反転で、PEN45を振るシンプルな回路でした。

浅野勇さんの試聴記は「戦前の多極管であるPEN45は、準3極管的で重厚な魅力があり、ブックシェルフ型スピーカーも駆動できる」というものだったと記憶しています。

他にPEN45の製作記事は、渡辺直樹氏のシングルUL接続アンプがあります。これについては、測定値などに信頼がおけない点が多々あり、あまり参考になりません。

PEN45を取り上げた製作記事は、浅野勇氏・渡辺直樹氏以来、長い間途絶えていました。しかし、最近のMJ誌に岩村保雄氏が製作記事を出されました。

岩村氏は、まず、PEN45の3結シングル、次にUL接続シングルの製作記事を上梓されています。岩村氏は、高価で入手が難しい部品などは使いません。ビギナーでも、できるかなと思えるような丁寧で優しい記事です。

製作記事の文章から、〇枝氏やキンタさんは、自慢話と自己満足が鼻につきます。それに比べて、岩村保雄氏の記事は、実体配線図を乗せる等もあり、後進を育てる気持ちが伝わってきます。文章から人格が伝わってくるものです。

まあ、愚痴はこの辺で置いといて、PEN45です。私は浅野勇氏の製作記事を読んで、いつかはPPアンプを作ろうと思い、PEN45とPEN45DDを購入しました。

PEN族は、ソケットがロンドンオクタルと特殊です。しかし、真空管業界の老舗である富士商会に、このソケットの在庫があるようです。

いつPEN45族のアンプを作れるのか分かりません。それまでは、球を手に取って楽しみましょう。

*9月25日朝 一部加筆修正

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コメント

新たな計画

実は、何年か前からPEN45でアンプを作りたいと思っていました。類似管も色々調べて、その中で普通の外観に近いこの球にターゲットを絞っていました。入手を目論んでいる最中に、他のアンプの計画が頭の中を支配し始めて、いつしかPEN45は忘れられて行きました。
  こうやって最終アンプに中々辿り着けません。でもPEN45は欲しいです。米国のカラッといた音とは対照的な音を想像してます。

Re: 新たな計画

トニーさん おはようございます。コメントありがとうございました。

トニーさんもPEN45に興味をお持ちなんですね。6V6とほぼ同規模ながら、倍以上のヒーター電力でもってハイGmを実現した球なので、独特な音味が想像できます。私もいつかは作ってみたいと思ってから20数年が過ぎてしまいました。そろそろ取り掛からないと残り時間が少なくなってきました。

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オッカイポ

Author:オッカイポ
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