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動的平衡

福岡伸一先生の「動的平衡」を読んだ。

福岡博士
福岡先生が、以前NHKの何かの番組に出られた時「人間を含む生物は、死ぬことによって他を利する存在だ」とおっしゃった事が、ずっと頭の片隅にあった。

また、週刊文春に連載されている「福岡ハカセの〇〇・・・正確に覚えていない」というエッセイを、時々病院の待合室などで拾い読みしていて、おもしろい先生だなあと思っていた。

先日、私の頭の片隅にあった魅力的な言葉の答えが書いてある本に出合った。2009年に初版が出た「動的平衡」である。私が購入したのは、2017年発行の第19刷だ。すでにベストセラーとなっていたのに、私は今まで知らなかった。

「生物は利他的存在」の答えだが、私の筆力で要約できるか自信がない。確実なのは、福岡先生の「動的平衡」を読んでもらえればいいのだが、それでは本の感想文にならないので、何とか書いてみよう。以下、四苦八苦して書いた文章だが、我慢して読んでいただきたい。


すべての世の中の物質は、摩耗し、酸化し、ミスが蓄積し、やがて障害が起こる。それを「エントロピー増大の法則」というらしい。生命はそのことをあらかじめ織り込み、ひとつの準備をした。

それは、エントロピー増大の法則に先回りして、自らの細胞を壊し、そして再構築して、摩耗や酸化や細胞のミスから逃れるわけである。いわゆる自転車操業的な方法である。

生物が自らを壊し再構築することを、一般的には新陳代謝とも言う。この自転車操業的だが、秩序を保った状態を「動的平衡」と、福岡先生は名付けた。

しかし、エントロピー増大の法則と追いかけっこしているうちに、少しずつ分子レベルで損傷が蓄積していく。そのため、自らを再構築(新陳代謝)する速度が遅くなっていく。これが老化という事である。そして、いつかエントロピー増大の法則に追い越されてしまう。つまり秩序が保てない時が必ず来る。それが個体の死だ。

しかし、個体は死んでも自転車操業自体は、次の世代にバトンタッチされ、全体としては生命活動が続く。そして、生命38億年にわたる自転車操業は、連綿と維持され進化してきた。だから、個体がいつか必ず死ぬという事は、本質的に利他的なありかたという事になる。

以上が「生命は利他的な存在である」の要約(受け売り)だが、この本には、この事以外にも目からうろこの内容がてんこ盛りだ。

福岡先生は「動的平衡Ⅱ」他、たくさん本を書かれているので、他の本も読んでみようと思う。

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