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単独飛行 その5(最終回)

ダールは、数時間しか操縦した事がないハリケーン戦闘機で、エジプトから地中海を越えて、ギリシャに飛んだ事は前回書いた。

ダールは、先輩の戦闘機パイロットから、空中戦の仕方を教わる。

ダール「実戦経験がないので、敵に出会ったらどうしたらいい?」
先 輩「実戦経験が無いまま、こんなひどい前線に配属されるなんて、司令部は何を考えているんだ」
ダール「とにかくどうしたらいいの?」
先 輩「ハリケーンの操縦時間はどのぐらい?」
ダール「4時間か5時間ぐらいかな」
先 輩「オーマイガ!どうしようもない。とにかく、敵機に出会ったら逃げろ」
ダール「敵を撃墜する方法は?」
先 輩「見越し射撃だ。照準器を敵機の前に合わせて、とにかく打ちまくれ」

今となっては、ユーモラス(当時は悲壮)な会話の翌日、さっそくダールは、単独で哨戒飛行の任務につく。

ダール
現代の航空ショーで、編隊を組んで飛ぶハリケーン戦闘機と、ドイツ空軍のメッサーシュミットME109E戦闘機。ハリケーンは、宿敵のME109Eより性能的に劣っていたが、未熟なパイロットでも操縦しやすい飛行機だったようだ。

戦闘機パイロットとしては、まったくひよっこのダールだったが、最初の哨戒飛行でドイツ空軍のJU88爆撃機(前回の写真)を1機撃墜する。

ダールの初戦果は「敵機の前をねらえ」という先輩のアドバイスが、功を奏したものだ。しかしながら、満足に飛ばすこともできない戦闘機での初任務で、初戦果をあげたダールの運動能力と、運の強さは相当なものだと思われる。

ダールは、初戦果以来、数機のドイツ軍機を撃墜するが、写真のME109Eの大群に追い回されて、死ぬような目に何度も会う。その後、何とか生き延びて、ギリシャを撤退してシリアの基地に移動する。

シリアでも英空軍は苦戦を続けるが、ダールはここでも運よく生き延びる。そうこうするうちに、以前墜落して負った頭蓋骨骨折の後遺症で、頭痛とめまいの症状がひどくなる。結局、ダールは戦闘機パイロットを続ける事ができなくなる。

空中勤務ができなくなったダールは、英空軍を退役して、故郷の母のもとに帰ったところで、この物語は終わる。

以上で、ドアルド・ダールの実体験を書いた「単独飛行」の書評を終える。最後に作家ダールと言えば、ジョニー・デップ主演の映画「チャーリーとチョコレート工場の秘密」などの児童文学作品が有名らしい。

また、大人向けの短編小説の名手とも評されているので、ダールの作品を何冊か取り寄せてみた。これから、雨の日などに読む本が増えた。嬉しい。



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