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大江健三郎 個人的な体験

大江健三郎さんが3月3日に亡くなった。

大江健三郎
この本は、私が二十歳の時に購入した。経年によりハードカバーが変色している。

大江健三郎さんは、東大在学中に芥川賞を受賞して以来、何度も何度も世間に強烈なインパクトを与えてきた。私が知る限りでも下記の通りだ。

順不同になるが、沖縄ノート裁判で右翼勢力に勝利した事、勲章を拒否していながらノーベル文学賞を受けた事、障害を持って生まれてきた息子さんが音楽の才能を発揮した事、そしてこの度の死去。

大江健三郎さんは、88年の全生涯をかけて右翼勢力と闘ってきた。誠実に、嘘をつかず、他者の痛みを思いやり、弱者に寄り添い、平和を訴えてきた生涯だ。それは、昨年、亡くなった安倍元首相と正反対の存在だった。

私の少年時代は、韓国の李承晩大統領による不当な国家主権の侵害に反発して、右翼的な考えを持っていた。それは、第2次大戦の敗戦国ゆえの貧しさや劣等感からでもあったのだろう。そんな単純思考の私の精神に、強烈なインパクトを与えたのが、大江健三郎さんの一連の作品だった。

「見る前に飛べ」「日常生活の冒険」で、平凡な人生を送る事に疑問を持った事。「万延元年のフットボール」で、自分のルーツを考えるきっかけとなった事。その他、様々な部分において、多大な影響を受けた。

後年、労働組合運動に身を投じた事もその結果と言えよう。思えば私の精神の屋台骨を作ってくれたのが、大江健三郎さんの作品群だ。

大江健三郎さんが、ノーベル文学賞を受賞した時も読み返したが、この機会に手元にある著作を読み返してみよう。ただ、大江峠とも言われる程、大江健三郎さんの著作は難解な文章が多いので、根気が続くのか怪しいところだ。

最後に、この歳になってみると、平凡な人生こそが幸せだと感じている。

*3月16日朝 一部加筆修正


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